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カスハラ対策、企業の約3割が未着手|10月から防止措置が義務化
カスタマーハラスメント(カスハラ)への対策に「特に取り組んでいない」企業が29.7%に上ることが、帝国データバンクの調査で分かった。調査は2026年10月1日の義務化直前に実施されたもので、企業の約7割が何らかの対策を実施、または予定していた一方、再発防止策の実施・予定は1割に満たなかった。すべての事業主にカスハラ防止措置が義務付けられ、企業の対策状況が改めて問われている。
小売業では3割超が被害を経験
帝国データバンクが10月26日に公表した「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査」は、全国1万235社から有効回答を得たもの。直近1年間にカスハラや不当な要求などを受けた企業は15.3%で、2024年6月の前回調査(15.7%)から0.4ポイント低下した。業界別では小売業が31.1%で最も高く、金融業26.8%、不動産業21.4%、サービス業20.3%と続き、一般消費者と接する機会の多い業界で被害を経験した企業の割合が高い傾向がみられた。
被害が「ない」と回答した企業は67.2%で、前回調査から1.8ポイント上昇した。企業規模別では、大企業の23.9%が被害を経験したのに対して、中小企業は13.8%となり、企業規模によっても被害を経験した割合に差がみられた。
対応方針の周知は37.8%、再発防止策は8.1%
カスハラへの何らかの対策を実施、または予定している企業は68.9%だった一方、「特に取り組んでいない」と回答した企業は29.7%に上った。具体的な対策では、「従業員への企業方針・対応ルールの周知」が37.8%で最も多く、「カスハラを容認しない企業方針の策定」が28.6%、「相談・通報窓口の設置」が27.2%と続いた。
被害が発生した後の対応に関する取り組みでは、「事実関係の確認体制・手順の整備」が18.0%、「再発防止策の実施」が8.1%だった。直近1年間に被害を経験した企業に限っても、再発防止策を実施・予定している割合は18.3%にとどまり、方針の周知や相談窓口の設置と比べ、被害発生後の対応に関する取り組みを実施・予定している企業の割合は低かった。
企業規模別にみると、何らかの対策を実施・予定している割合は大企業が82.6%、中小企業が66.5%で、16.1ポイントの差があった。相談・通報窓口の設置についても、大企業51.7%に対して中小企業は23.0%と差が開いており、企業規模による対策状況の違いが明らかになった。
10月から防止措置が義務化
2026年10月1日に施行された改正労働施策総合推進法では、企業規模や業種にかかわらず、すべての事業主にカスハラ防止措置が義務付けられた。具体的には、企業方針の明確化と従業員への周知、相談体制の整備、被害発生時の事実確認や従業員への配慮、再発防止などが求められる。
今回の調査は義務化前の9月14日から30日に実施されたもので、29.7%という未着手の割合は施行直前の状況を示している。調査では対応方法が分からないという企業の声や、人員・費用面の制約を指摘する意見も寄せられており、企業によって対策の進捗に差があることがうかがえる。
今回の調査はパチンコホールに限定したものではないが、顧客と直接接するホール企業にとっても、カスハラ対策の状況を考えるうえで参考となる結果だ。特に、再発防止策の実施・予定が8.1%にとどまった点は、対策方針や相談体制の整備だけでなく、被害発生後の対応まで含めて体制を確認するための材料となる。
文=アミューズメントジャパン編集部
出典: 帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」、厚生労働省「カスタマーハラスメント防止指針」






